トロントの、私の講座の受講生がしてくださった話です。
その女性が韓国にいて5年生だった頃の出来事だそうです。
ある日の夕方、彼女は医者の帰りに男性から道を聞かれました。
そのひとの目的地は工事現場を横切ったあたりのところで、彼女に一緒に来て欲しいと言うのだそうです。
彼女が一緒に歩いて、工事現場にさしかかると、男性は「寒くってさあ〜」と彼女の首の後ろから手を差し込んできました。
すごく嫌だったのだけれど困惑して、彼女はどうしたら良いのかわからなかったのだそうです。
というのは「私はその頃、『いい子シンドローム』にかかっていたから」と。
それでそのまま歩き続けていたら、暗がりでついに男性は彼女を角におしやり、服に手をかけてきました。
もう凍りついてしまって、彼女は何もできずにいたそうです。
「それが、男がズボンのファスナーを下ろしはじめたのを見た瞬間、『もう無理!』となったんです」
彼女が叫び声をあげると、周囲から人が出てきて、男性は逃げ、彼女も自宅に一目散に逃げました。
家まで走り、着いた途端に泣けてきたと彼女は言っていました。その涙は安心の涙で、「助かった!」という思いと、これでもう逃げられて自由になれた!という思いだったそうです。
自宅にちょうど家族がいてくれたのも良かったみたいだと彼女は言います。
出来事について家族に話すことができ、家族からいたわってもらえたとのことでした。