30歳代後半Yさん、
困っている女性を声だけで救助
「私はマンションでひとり暮らしです。
マンションと言っても大きめのアパートみたいな感じで、間取りの種類が豊富で、独身者もファミリーも住んでます。
その夜、23時すぎに帰宅したら、
マンション玄関の前で若い男女が押し問答をしていました。
男性は女の子に『初対面で、何もするわけないだろう?!』とか言って、女の子は『送っていただいたのはありがたいのですが…』みたいに困っていて。
合コンか何かの後、男性が無理矢理彼女を送ってきて、お茶を出せとか家に入れろとか言っているのかも…災難ね…
みたいに思いながら、ふたりとは目をあわせないようにして、そそくさと自宅に入ったんですが、
自宅からも、ふたりのやりとりがかすかに聞こえてきてました。
なんだか、しつこそうです。困ってるだろうな、って。
それでふっと思いついて、窓から顔は出さずに、ふたりに届くくらいの声で言ってみました。
『玄関先でグズグズと、近所迷惑よ!
いつまでも何してるの!
はっきりお断りして、
そのかたには帰っていただきなさいっ!』
あたかも彼女の姉や母親が小言を言ったかのように言ってみたら、男性は「え!なんだよ、同居かよ!」と立ち去りました。
この方法は我ながら良かったと思います。その女性もバツが悪いでしょうから、誰が助けてくれたのかがわからないくらいが丁度いいでしょうし、男には私の顔も見られていませんし。」
重要なのはここからです。
実はYさんは、それまでは困っていそうな女性を見ても、助けようと思ったことはなかったと言います。
「それまでは、災難に巻き込まれるのは女性にもスキがあるからよ…って思っていました。でもあのときは急にあの方法がひらめいて…。そして、試してみたら上手くいってしまって。
あの経験で、考えが変わりました。トラブルがあんなちょっとしたことで解決でき、私が『えっ?!』となったように、女性がトラブルに巻き込まれたのも、落ち度というほどのことではないささいなきっかけからだったのかもしれない…と。
それに何よりも、私なんかが人助けをできるなんて思ってなかったんです。
私がこれまで困っている女性を見ても助けようと思えなかったのは、「私には、助けるなんてできっこない」とどこかで感じていたからなのかもしれません。
そういう自分をまもるために、女性にスキがあるのだと、他罰的に思っていたのかも。
ちょっとした行動で、自分が変われますね。」
Yさん、お話くださってありがとうございました!