雨の暗い住宅街でナンパされました。
「あのー違ってたらすいません」
『なんでしょう』
「さっき駅で待ち合わせした人ですか?」
知らない若い男の子が、後ろから近づいてきて、私に声をかけてきました。
なんのことかわからないので『はい??』と聞き返すと、
どうやら出会い系で知り合った女性と駅で待ち合わせした、ってことらしい。
傘さして両手にバッグと買い物袋ぶら下げてる私はどう見ても出会い系で待ち合わせする人には見えなくね?と思うけど、その子は食い下がってきます。
「出会い系とかやってないですか?
今から僕とやりませんか?」
知らんがな。
『あはははは、やだね。』
(いちおう、誰がお前なんかと?というニュアンスは伝わらないように努めました)
しかし彼はまだ諦めずに
「あの、ソッコンシャ…っていうか…、結婚してますか」
『あー…それ、キコンシャって読むんじゃないの?
とにかく、やだ』
歩きながら、どんだけ心身ともにやる気が漲っているかアピールしてくるのですが、
このまま行くと、もう少しで私の自宅に着いちゃいます。
自宅を特定されるのもいやなので、
ここらでさっさとおかえりいただきたい。
しかも、付いて歩いてくるだけだったのが距離を詰めてきました。
傘があるおかげで、密着するほどではないけど。
街灯でちょっと明るいところがあったので、
すっと立ち止まって、
彼のほうに向き直って
「やだ。」と
スーパーの袋を持ったまま左肘をあげ、
自分の左手首の腕時計を見る感じで、
そのままクイっと、その子の胸あたりを軽く押し返しました。
顔はにっこりしたままで。
そしたら、その子の動きも言葉も止まり、
「ダメですか」
『ダメだね』
「そうですか」
『ダメだね』
「わかりました」
回れ右して帰っていきました。
あれこれ説明しないでシンプルに何度も断ること。
正面に向き直って、
あなたから逃げる以外にも私にはいろんな方法があると示すこと。
両手が塞がっていたけど心のファイティングポーズを見せることで、
どんだけ食い下がられても言いなりにはならないよ。というのが伝わったかなと思いました。
きれいに帰ってもらえてよかったです。
私に、もっとちゃんとしたモテ期が来ますように!!
身体接触が苦手な人には、
もっといい方法があるといいなと思いつつ。
2018/9/10