こんにちは。Wen-Do Japanの福多です。
新型コロナウイルスによる感染症の広まり。
これからどうなるのかなと不安な方もいらっしゃるかもしれません。
こんな状況下ですので、私たちもWen-Doの開催は考えることができずにいます。
やはりWen-Doはみんなで一緒に声を上げるのが魅力のプログラムですから、
皆で集まって声を上げられない状況は残念です。
しかし、今、その状況にあっても、
私は、私にWen-Doがあって良かったと心の底から感じています。
* * *
多くの皆様がご存知の通り、
Wen-Doのワークショップは
『女性の暴力被害の約8割は、知っている人物から行われている』という事実の紹介から始まります。
時々そのことに驚く人もいますが、
ほとんどの人はそうだよねと納得し、
納得するからこそ、重要なことに気づきます。
それは、
私たちの人生には「危険性」はつきもので、
天災、人災、事故、病気、
あらゆる面で、
危険性をゼロにすることはできないのだ、ということ。
そして、そうした様々な危険性の中でも、
人災=人による暴力やそれゆえの傷つきは、
多くの人にとって一番「不確実度」が高く思えるものであり、
かつ、人間関係は人の暮らしや気持ちと密接に関わるために、
暴力への対応が難しく思えたり
ときには誤った対応をしてしまうことがあるのも、
無理はないのだ、ということ。
誤った対応をしてしまったからと言って
暴力被害を受けても仕方がない、などということになってはならないし、
望んだのではない展開や結果に傷つきを感じる友人たちに
誰もが味方として暖かく関われる空気が当たり前になる、
そうした社会づくりを私たちは目指したいのだ、ということ。
そうした、当たり前なのに意識に上りにくい大事なことを
私たちはWen-Doの中で1つ1つ確かめながら、
不確実性がつきまとう『人による人への暴力』に対して、
いざという時にどうする?ということを追求してきました。
Wen-Doの答えはシンプルです。
「急所」に注意しましょう、と。
詳しく言うのは避けますが
自分がさらなるダメージを負わないためには
自分の急所や人(相手)の急所に関する知識が重要だ、
ということを
私はWen-Doを通じて、数え切れないほど多くの女性たちと
そのことを繰り返し学んできました。
* * *
今思うと、
私もWen-Doを学んで初期の頃は単純に、
「ここをやられたら動けなくなるな」とか
「これを指摘されるとグサッときて心的ダメージが大きいな」とか思っただけでした。
それが、何年かWen-Doを続けることで、
ある状況では気を付けるべき急所はここだけれど、
別の状況で気を付けるべき急所はこっち、と
意識するべき急所は、
時や状況や場に応じて変化するのだということも、
徐々にわかるようになりました。
そして、時や状況や場に応じて
自分が意識するべき急所が変わるのだとわかると、
その都度その都度で「今、優先的にまもるべきなのは何かな?」を意識して
そこをケアしながら暮らすということにもつながりました。
今の私の自分のまもりかたは
Wen-Doを知らなかった頃に比べたら、
まるで真逆なほどに変化しました。
昔は外部の危険への感度をマックスに上げて
警戒心バリバリで、
外部で起こる不確実なことに
不安が炸裂しつつ、それを隠すために大丈夫な風に強がってみたり…。
今は、
自身の『脆弱性』に焦点化して
そこをケアしつつ暮らすということが、
習慣化してきたように思います。
* * *
これをお読みくださっている全ての皆さんに
Wen-Doの経験があるとは限らないなと思いながら書いているのですが、
Wen-Doのワークショップで、
息を大きく深く吐いてから、
無理なく吸える分を穏やかに取り込んで吸う
あの呼吸の感じとか。
今の状況で私がかばいたくなる自分の急所ってどこかな?と
意識を向けてみることとか。
何をどうしたらホッとして安心しそうかな、と、
自分の内側と対話するあの感じとか。
本当に考えたいことや実現したいことなど
私の望みって何なのだろう?と、
『(望まないことではなく)望むこと』を考えて、
イメージすることとか、
それを『やり続ける』大切さの話とか。
Wen-Doがワークショップを通じて
女性たちと分かち合ってきた
ああしたちょっとした心の持ち方は、
今のこの状況下でも、
きっと多くの人にお役に立てるだろうなと思います。
思い出せる人は、必要なときに、
どうぞちょっとでも思い出してみてください。
思い出しようのない人も、上記のような書き方で、
少しでも何かが伝わるといいな^^
私たちは、Wen-Doで、
自分の弱さをケアすることを通して、
聡明さと力の発揮を目指してきました。
まだしばらくは大変な状況なのかなと思いますが、
皆で勇気と平静さと共に過ごせることを心から願っています。
いつかきっと、元気で再会しましょう。
緊急事態宣言の最終調整中と報じられる2020年4月6日
Wen-Do Japan 福多唯